中日写真協会 小牧支部

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露出④

被写体の露出を計るとき、ファインダーから見える被写体のどの部分を計っているのか、カメラの測光方式を理解しておく必要があります。

これには、ファインダー全体を細かく分割し、それぞれの明暗などを評価し適性露出を判断する「多分割評価測光」、ファインダーの中央部分に重点をおいて測光する「中央重点測光」、ファインダー中央の1~3%に限られた狭い範囲を測光する「スポット測光」があります。

極端な明暗差がない普通の条件で写真を撮る場合は、カメラ任せの「多分割評価測光」で、ほぼ適正な露出が得られます。

しかし、逆光でのポートレートや夕空などの写真では、明暗の差が大きく「多分割評価測光」では、白トビや黒つぶれが起る可能性が大きくなります。

人の目は優秀に造られていて、このような明暗差の大きい光景でも、明るい部分も暗い部分も上手く調整されて、両方が綺麗に見えるのですが、カメラでは普通に撮った場合、明暗両方を綺麗に写すことはできません。

そこで撮影者の意図として、明暗差の大きい被写体では、明るい部分を綺麗に見せるのか、あるいは暗い部分を綺麗に見せるのか、はっきりさせる必要があります。

例えば、逆光でのポートレートでは暗くなりがちの顔を、夕空写真では白トビしがちの夕焼け雲が綺麗に見えるような露出を選びたいですね。

このように被写体の一部分を選び、そこに露出を合わせて写真を撮るような場合では、「スポット測光」とAEロックが役にたちます。

この例の場合、カメラの測光方式を「スポット測光」にセットし、露出を合わせたい顔や夕焼け雲に、ファインダー中央のスポット測光部を合わせて、AEロックボタンを押し、ファインダーを元の構図の位置に戻して、シャッターを切ると、顔や夕焼け雲に露出が合った写真が撮れます。

勿論、承知の上のことですが、逆光でのポートレートでは顔に露出が合うと背景は白トビしますし、夕空写真では、夕焼けは綺麗に写りますが山などはシルエットで黒つぶれします。

中央重点測光」は、さほど必要性を感じませんが「多分割評価測光」より、中央の被写体の露出に拘りたいときに利用するモードです。