中日写真協会 小牧支部

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絞り優先モードと被写界深度

前項で述べた通り、絞り優先モード(A、Av)は、撮影者が任意に絞りを選択し、カメラがその絞りに応じたシャッター速度を自動的に設定します。

絞りは被写界深度(ボケ加減)と密接な関係にありますが、被写界深度とは、ピントがあっているように見えるカメラからの距離の範囲です。

被写界深度は、絞りの値であるF値が小さいほど、例えばF11よりF2.8の方が浅くなり、レンズの焦点距離が長いほど、例えば16mmより200mmの方が浅くなり、被写体までの距離が短いほど、例えば30m先のものより1m先のものが浅くなる特徴があります。

絞り優先モードは、絞りの値を変化させ、被写界深度(ボケ)をコントロールします。

例えばポートレート撮影などで、モデルを浮き出させ、背景をボカしておとなしくさせる撮り方をしたい場合、レンズの絞りの値を解放値もしくはそれに近い値(例えばF2.8とかF4.0など)にします。

また、風景撮影などで、手前から奥の背景まで全てにピントが合ったように(このことをパンフォーカスといいます。)撮りたい場合、レンズの絞りの値をなるべく絞った値(例えばF11とかF16など)にします。

但し、絞り過ぎると回折現象が目立ってきて、ピントが甘く見えます。

絞り優先モードは、撮影者が絞りの値を選択する、即ち撮影者が被写界深度(ボケ)をコントロールするモードなのですね。